担当者様御中
はじめまして。突然の連絡、失礼いたします。
私達は、KIDUKO LETTERS というメディアチームです。様々な社会問題の中で、日本で現在も続くコロナ自粛や対策が、エビデンスに基づいたものなのか、それらを検証し、風化させないことを目標に掲げ、その中でも、病院、福祉施設等で続く「面会制限」の現状の改善を一番の課題と考え、行動を始めました。
私たちのグループのホームページに載せましたが、オミクロン株以降、新型コロナ感染症が、インフルエンザ並み、もしくはそれ以下の重症化率、死亡率であるというデータがあります。いくつかの査読論文でだされた、「面会制限の効果は確認できない、逆にデメリットが多い」というエビデンスや、海外ではほぼ面会制限はしていないという事実、あるいは国内の病院間にも制限内容に差があり、制限をほぼやめた病院もあるという事実を見ていただき、現在の制限を再考いただきたく、手紙を送らせていただきました。
この度、私たちは、各都道府県の病院の中から、病院の規模に隔たりがでないように、病床数200床以上の病院の中から病床数上位3位までの病院、200床未満の病院における病床数上位3位までの病院、計6つの病院を抽出し、全都道府県で計282の病院の面会制限の状況を調べました。(ホームページの情報のみから調査しました。) 令和7年6月12日~29日に調査を行い、調査結果をまとめました。(調査結果一覧は、ホームページに掲載してあります。病院名はふせてあります。また病床数の順には配置せず、順はばらしてあります)
調査結果としては、面会時間は約4割の病院が15分、約3割の病院が30分であり、中学生以上でないと面会できない病院が約3割にのぼり、高校生以上、あるいは15歳以上という条件の病院も少なくありません。また面会できるのは家族やキーパーソンのみという病院が約5割であり、面会は二人までという施設が6割を占めています。(詳しい分析結果と円グラフを、別紙添付しました。あくまでも今回調査した病院のみの分析ですが、他の病院を調査しても大差はありません。) また、面会は週1回のみという病院も少なくありません。
そして、2023年5月にコロナが5類となり、感染状況が全病院からではなく定点報告となった中で、この調査は、コロナ渦が始まって以来最も感染者数が少なくなった時期における制限状況です。これまでは、さらに厳しい面会制限、あるいは面会禁止が全国で行われていました(特に毎年風邪やインフルエンザが流行る冬期~春期は厳しい制限が行われ、今年も同様でした。)
(調査結果の一覧やその分析結果、面会制限に関する各種論文やデータ、さらには、面会制限を経験した家族の実際の声は、私達のホームページに掲載してあります。また、同じ目標を掲げ行動をしている医療関係者等が作った「コロナ後の医療・福祉・社会を考える会」のリンクも貼ってあります。こちらの会のHPには、全国の大学病院、日赤病院の面会制限状況の調査結果一覧や、制限を経験した家族の声、関連する報道のリンクが載っています。)
しかし、すでに、コロナはオミクロン株となり弱毒化し、データをみても、毎年流行る風邪と変わりません。入院患者は免疫力が弱いとはいえ、コロナ前は多くの病院で、ここまで面会制限をしていたでしょうか。コロナ前は、インフルエンザが流行し始めても面会は通常通り行い、最流行時に短期間だけ、一部の病棟に限って面会を制限していたなどの声も聞こえてきます。なにより、医師、看護師等の病院スタッフの方々や、病院に出入りする関連業者の方々は、日々、病院外部と行き来をし、当然様々なウイルスにもふれ、人込みの中にもはいっています。また、入院患者も入れ替わっています。その中で、これほどまでに家族の面会だけを制限することについて、患者の治療的側面から、そして、患者や家族の人権や尊厳という観点からも、再考をお願いできないでしょうか。コロナ前と同じく、発熱、咳などの明らかな風邪症状が、当日にある人のみ、制限するという状態に戻すことはできないでしょうか。(「面会日の直前〇〇日以内に体調不良があった場合や、体調不良者との接触があった場合は面会不可」という文言の是非も、再考お願いできないでしょうか。)
ホームページにも載せましたが、全国で、面会制限を全面緩和したり、院内でのマスク着用が全て任意になった病院も、少しずつ増えてきています。面会制限を無くした病院の医師にも聞きましたが、特に問題は起きていないとのことです。これらの病院は、制限緩和後、その状態を継続しています。問題が特に起きていないので、自由な面会を継続しているのだと思います。
この度は、全国の病院に、制限の是非の検討や緩和(緩和している場合はその継続)をお願いしたく、そして可能であれば、面会制限を緩和した場合、その理由をお聞きしたく、この度手紙を送らせていただきました。(送付した病院のリストは、ホームページに載せてあります。今回、各都道府県5病院×47都道府県=235病院にこの手紙を送付。病院はランダムに抽出し、最終的には全国全ての総合病院に送付予定です。)
海外では、ワクチン接種だけではなく、コロナ対策は多くの国ですでに行われていません。ホームページに詳細は載せましたが、多くの病院で、患者の治療のためにいかに面会が重要かをホームページ等にも掲載し、コロナ渦の初期以外は、面会に大きな制限を設けてきませんでした。
そして、オミクロン株は空気感染であり、インフルエンザも含め、マスクの効果が確認できないというエビデンスが多くある中で、日本のほとんどの病院、福祉施設ではマスク着用が義務づけられています。患者も家族も、マスクを外して互いの笑顔を見ることができる日が早く来ればいいなと思っております。
・15分という制限があるのは承知で、なんとか都合をつけ遠方から面会に駆けつけたが、患者本人が面会者に会えるのは週1回であり、数日前に他の面会があったため、面会はできないと言われた。
・入院している親が容体が悪化した。もう先が長くないかもしれないので、孫の顔も見せてやりたかったが、子供は不可とのことで会えなかった。
・面会は原則禁止だったが、親の容体が悪化したため、病院の「特例」で二日連続家族が面会できた。次の日、もう一人の海外在住の家族が緊急帰国し面会に行ったが、追加で特例は認められず面会できず、そのまま亡くなってしまった。
これらは実際にあった例です。
長く続く入院生活において、家族や友人に充分な時間会えることは、大きな喜びであり、病気や怪我と闘う中でも大きな大きな励みとなります。面会が必要なのは「あと数日しか命がもたないという状況」だけではないはずです。一般病棟における入院においても、充分な時間、面会ができる必要性はあるのではないでしょうか。
また、調査によると、約半分の病院は、「家族(または生活上のキーパーソン)」のみが面会可能となっています。しかし、身寄りが無いが家族以上の関係の友人がいる患者も少なくないと思います。
当グループ代表の私は、コロナ渦直前に、最愛の祖母を亡くしました。認知症と誤嚥性肺炎で長期入院していましたが、亡くなる前の半年間程は、週2回程、毎回約1~2時間、ベッド横に寄り添っていました。ほとんど意思疎通はできなくなり傾眠状態も多くなっていましたが、ずっと横にいて手を握っているうちに、明らかにこちらに気づくこともあり、調子がいい時は車椅子にのってもらい、院内を散歩し笑顔が出ることもありました。病院スタッフからも、面会後は、体の調子も数値も良い、よく寝ることができているようだという話を聞いたこともあります。
これらは15~30分、週1回のみ、などの面会条件ではできることではないと思います。また、例えば15分という制限があると、入院患者側も、遠い所から来てもらうのは申し訳ないと、面会を断ってしまう場合もあると思います。
また私も昨年1か月ほどですが入院しましたが、治療上ベッドで安静にしている必要があり、食事以外楽しみがなく、そして面会もなかなかできず、非常に精神的にしんどかったことを覚えています。
私達は、医師や科学者ではありません。しかし、それでもできることとして、こうして調査を行い、「日本国内の病院においても、面会がほぼ自由にできる病院と15分のみできる病院という差や、高校生以上でないと面会できない病院、小さな子供でも面会できる病院という差があります。改めて、面会制限の緩和について検討いただけませんか」ということを伝えることができれば、とこの度考えている次第です。
面会を全面緩和する病院も、少しずつですが出始めています。
皆様方は、日々お忙しい業務をこなされ、真摯に患者に向き合い、治療されていることだと存じます。私も、昨年入院し、現場で、医師や看護師の皆様に大変親切に面倒を見ていただきました。人の命に日々向き合う皆様方の日々の取り組みに感謝する気持ちは今も全く変わりません。
お忙しい中、ここまでこの手紙をお読みいただきありがとうございます。改めて制限の是非、制限の緩和(すでに緩和している場合は、緩和の継続)を検討いただけないでしょうか。そして、今後、再度感染症の流行が生じた際も、どこまで恐れる必要がある病気なのか、エビデンスに基づいた対応をお願いできないでしょうか。今回は、235の病院にこの手紙を送付しましたが、これから同じように他の病院にも文書を送付し、その数を増やしていきます。文書においては、制限を緩和した場合、その理由もお聞きしているので、その回答をいただけた場合は、それもホームページに掲載していきます。
長文、失礼いたしました。以上、どうぞよろしくお願いいたします。
(病院担当者様へ お願い)
ホームページに各病院の面会制限の状況を載せましたが、面会条件を緩和した(近々緩和する)病院の場合、その緩和した(緩和する)理由を教えていただきたく存じます。 また、もしご教示いただいた場合、私共のホームページにそれも載せてよいか、載せる場合、病院名は載せてもよいか、伏せた方がよいかもお伝えいただきたく存じます。以上はもし可能であればで、構いません。(現在、下記の事務所では、郵送物の受け取りは行っていないため、回答をいただける場合は、メールにてお願いいたします。)
令和7年7月31日
KIDUKO LETTERS 代表
てがみ発信型メディアチーム KIDUKO LETTERS
(HP) https://kidukoletters.com/
(Mail Adress) kidukoletters@gmail.com
(Office) 東京都渋谷区円山町5-3 MIEUX渋谷ビル8階
※現在、文書等、郵送物の受け取りは事務所で行っていません。